相続税の仕組みと申告
相続税は、相続または遺贈により財産を取得した場合にかかります。
相続税には基礎控除があり、遺産の金額が基礎控除の金額以下であれば相続税は課税されず、税務署に対する申告も必要ありません。
また、遺産の金額が基礎控除を超える場合でも、税務上の特例(配偶者控除、小規模宅地の評価減)により、相続税がかからないケースもあります。
基礎控除額=3,000円+(600万円×法定相続人の数)
※平成26年12月31日以前に相続が発生している場合は、5.000万円+ (1.000万円×法定相続人の数)
相続税の申告
相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に相続税の申告を行う必要があります。
申告書の提出先は、亡くなられた方の死亡時の住所地を管轄する税務署です。
相続税の申告には、各相続財産に関する資料や、被相続人及び相続人に関する資料など、膨大な資料の提出が求められます。
そのため、相続税の課税対象になる方のほとんどが税理士に申告を依頼します。
しかし、相続税を専門的に扱う税理士はごくわずかであるため、税理士によって相続税申告の経験や実績、ノウハウが大きく異なります。
そのため、依頼する税理士を間違えると節税できたはずの相続税を余計に取られてしまうなど、依頼する税理士の経験や知識によって実際に課税される相続税額も変わってきます。
当事務所にご相談ただければ、相続税の申告の実績と経験が確かな税理士をご紹介させていただきますので、お気軽にご相談ください。
相続税の計算
まず、相続税の課税対象となる課税遺産総額を計算します。
① 相続や遺贈によって取得した財産(遺産総額)の価額と、相続時精算課税の適用を受ける財産の価額を評価します。
② ①から債務、葬式費用、非課税財産を差し引いて、遺産額を算出します。
③ 遺産額に相続開始前3年以内の暦年課税に係る贈与財産の価額を加算して、正味の遺産額を算出します。
④ ③から基礎控除額を差し引いて、課税遺産総額を算出します。
・課税遺産総額=遺産総額+相続時精算課税の適用を受ける贈与財産-非課税財産-相続債務・葬式費用+相続開始前3年以内の贈与財産+みなし相続財産(死亡保険金(契約内容によります)や死亡退職金)
次に相続税の計算を行います。
① 課税遺産総額を法定相続分どおりに取得したものと仮定して、それに税率を適用して各法定相続人別に税額を計算します。
② ①の税額を合計したものが相続税の総額です。
③ ②の相続税の総額を、各相続人、受遺者及び相続時精算課税を適用した人が実際に取得した正味の遺産額の割合に応じて按分します。
④ ③から配偶者の税額軽減のほか、各種の税額控除を差し引いて、実際に納める税額を計算します。
相続税の納税
相続税は、原則的に金銭で申告期限までに一括で納付しなければなりません。
例外としては、「延納」と「物納」という方法があります。
延納とは、金銭で納付することが困難な場合に、担保提供を条件に元金の均等年払いが可能となる制度です。
ただし「利子税」という利子の支払いが必要となり、本来の相続税よりも多い金額を支払わなければならないので注意が必要です。
物納とは、延納も難しい場合に相続財産を現物で国に納付する方法です。
①国債や地方債、不動産、船舶②社債、株式、有価証券③動産といった順番で納付することが定められています。
ただしこの申請は却下される場合があり、その場合は原則通りに現金で支払わなくてはなりません。